メチルスルフォニルメタンはMSMという略称で知られる、イオウ成分を含んだ物資です。ヒトの体内では副腎や母乳、尿、筋肉、髪の毛、爪などに含まれるもので、骨や皮膚、その他細胞組織のコラーゲンを健全な状態に保つ作用があるため、関節痛や筋肉痛を予防・改善し、炎症を抑える効果が期待されています。そのほか体内で糖質や脂質を適切に代謝するためのサポートも行ってくれます。さらにメチルスルフォニルメタンは質量の34％がイオウ元素であるため、体内でアミノ酸が作られる際にはその供給源にもなります。
メチルスルフォニルメタンは新鮮な果物や野菜、穀物、牛乳などに含まれているため食事からでも摂取できますが、いずれも含有量が少ないため、1日に必要な量を摂取しようと心がけるならばサプリメントで補完することが望ましいようです。また、グルコサミンやコンドロイチンと一緒に摂ることでより大きな効果が得られるとも言われています。
メチルスルフォニルメタンには痛みや炎症を抑える効果があるほか、関節の破壊を抑制する働きがあると言われており、炎症を起こしている関節炎の痛みを改善して腫れを抑えてくれます。ある研究ではメチルスルフォニルメタンを変形性関節症の患者さん50人に1日6gずつ12週間に渡ってメチルスルフォニルメタンを飲ませ続けたところ、痛みが改善されたという結果が出ています。
また、メチルスルフォニルメタンは軟骨や骨に含まれるイオウを供給することでその形成を促す作用があるとされています。さらにコラーゲンの生成にも関わっていることから、軟骨の生成において間接的に非常に重要な役割を果たしている成分だと言えるでしょう。
メチルスルフォニルメタンが膝の痛みに効くメカニズムは未だ解明されていないようですが、臨床試験によって確実に効果が見られるとの報告はいろいろあります。1日に必要な摂取量とされている500〜1,000mgを摂取するには食品からでは難しいので、すでに関節に不安がある場合はサプリメントで確実に摂取しましょう。
メチルスルフォニルメタンには強力な抗炎症作用や抗酸化作用があるため、関節痛や筋肉痛の緩和に効くだけでなく、膀胱炎など泌尿器系の病気にも効果が期待されています。例えば膀胱の粘膜に炎症を起こしてしまう間質性膀胱炎に対して効果が見られたという報告があります。
さらに驚くのはアレルギーの諸症状に対して有効であること。もはや完治を見込むのはほぼ不可能、症状を薬で抑えるのがやっとと言われる花粉症の辛い症状が、メチルスルフォニルメタンの投与によって緩和したという研究結果も出ています。
まだまだ研究がこれから進むであろうメチルスルフォニルメタンですが、現時点では食品から摂るのが困難であること、単体で摂取するよりも特にグルコサミンと一緒に摂ることが望ましいということは明らかなようです。今身体に何の不具合も出ていない場合でも、その抗酸化作用を鑑みると、アンチエイジングのために摂取するのも良さそうですね。
